はじめに

 藤本製薬株式会社は2009年2月に多発性骨髄腫の治療薬としてサリドマイド製剤を販売させていただきました。その後2012年5月にらい性結節性紅斑(ENL)、2021年2月にクロウ・深瀬(POEMS)症候群の効能・効果の追加承認を取得いたしました。
 しかしこの薬の主成分はサリドマイドであり、これは1960年代初頭、妊娠中の女性が服用することにより胎児の上肢や感覚器、循環器などに重い催奇形性を起こし、世界的に悲惨な被害を引き起こしました。
 またサリドマイドの誘導体であるレナリドミドは、動物試験の結果から、ヒトで催奇形性を示す可能性があると考えられ、サリドマイドと同様に注意が必要です。
 このことから、サリドマイド・レナリドミド(以下、「サリドマイド製剤等」という)は、厳重な安全管理のもとに使用する事が必要とされています。
 藤本製薬株式会社は、二度と同じ被害を起こさないために、サリドマイド製剤等について情報提供及び 教育、登録、中央一元管理、評価を重要な構成要素とする「サリドマイド製剤等安全管理手順」TERMS®を、行政をはじめとする関係者の方々の意見を伺いながら作成いたしました。
 これにかかわる全ての人のご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

TERMSの目的

安全管理手順(TERMS®) は、藤本製薬株式会社が製造販売承認を受けたサレドカプセル、レナリドミドカプセルを厳格に管理し、併せてこの厳格な管理を基盤としたサリドマイド製剤等の適正な使用を推進し、サリドマイド製剤等の胎児への曝露を防止することを目的とする。